2010年7月8日木曜日

■ワークショップ・開催レポート 2010年5月28日(金)「油絵具用画用液と基底材、画筆について」

■ワークショップ・開催レポート 2010年5月28日(金)「油絵具用画用液と基底材、画筆について」

4月23日(金)開催の2010年第2回目ワークショップ「水彩絵具メディウム技法と基底材、画筆について」に続く、ワークショップ第3回目です。
ワークショップとは、実際に何かを作ったり、描いたりしながらさまざまなことを学ぶ体験型講座のことをいいます。
ホルベインでは、絵具のことや色のこと、筆や紙・キャンバスといった画材のことなど、さまざまな製品に関するより深い知識を持っていただく目的で、適時ワークショップを開催してまいります。

現代を生きる私たちは、水彩絵具を塗るのならば紙、油絵具を塗るのならばカンバスという具合に、決まったものとして認識しています。しかし、工業的に様々な製品ができる前はどうだったのでしょう。きっと、画家達は絵を描く前に、土台である基底材から作り始めたことでしょう。それだけに下地のもたらす様々な表現の違いについてよく知っていたことと思います。翻って、私たちは、あまりに何でも手に入る代わりに、見失ってしまったものも多いのではないでしょうか。

本テーマでは、油彩画の下地の歴史を振り返ることから始め、油彩画をキャンバス・その上に塗る下地・さらに描画層の画用液と、断面的に分解して解説し、さらに色つきの下地に描く「有色下地」の効果を体験していただきました。

今回のワークショップには15名の方にご参加いただきました。


ホルベイン工業(株)技術部部長 小杉弘明より、油彩画の下地について代表的な木材・布地から紙・金属など「絵具屋からみた下地」をテーマに講座を開始しました。
【 ホルベイン工業・技術部長の小杉 】

普段は何気なく使用しているキャンバスの生地や作り方、張り方までを、キャンバスのできるまでの順を追って解説。

【 実習の様子 】

油彩画の溶き油にペンチングオイルだけを使用していませんか。
油彩画の描き始めから、仕上げまでそれぞれの描画層にはふさわしい画用液や画用液の混合率があります。
ワークシートで確認しながら体験学習しました。
【 実習の様子 】

いつも描き始めのキャンバスは白いままですか。
風景や人物など描くモチーフに合わせて下地の色を塗ってみると新しい発見があります。
代表的な赤系・黄系・緑系の下地をホルベインのクイックベースを塗ったワークシートを使い実際の効果を体験学習していただきました。

休憩をはさみながらの3時間、今回は下地の概論からキャンバス、画用液、有色下地と多岐にわたる内容につき駆け足のワークショップになりましたが、油彩画の基礎をもう一度確認いただくよい機会として皆様の製作に役立っておりましたら幸いです。

今回のワークショップの様子は、動画でもご覧いただけます。