2010年7月20日火曜日

■ワークショップ・開催レポート 2010年6月25日(金)「油絵具と混色について」

■ワークショップ・開催レポート 2010年6月25日(金)「油絵具と混色について」

5月28日(金)開催の2010年第3回目ワークショップ「油絵具用画用液と基底材、画筆について」に続く、ワークショップの4回目です。ワークショップとは、実際に何かを作ったり、描いたりしながらさまざまなことを学ぶ体験型講座のことをいいます。
ホルベインでは、絵具のことや色のこと、筆や紙・キャンバスといった画材のことなど、さまざまな製品に関するより深い知識を持っていただく目的で、適時ワークショップを開催してまいります。

紫は赤と青を混ぜればできます。オレンジは赤と黄色でできます。・・・でも本当にそうでしょうか。
意外にきちんと学んだことのない「色の原理」を、今後の油絵制作に役立つように実際に油絵具で実習していただきました。今回は16名の方がご参加くださいました。

講師としてホルベイン工業・技術部課長の福島英二が担当。「三原色」の話や、光が特定の色として目に見える仕組みなど、 色の基本についての講義から始まりました。
【 ホルベイン工業・技術部課長の福島 】

さらに、現実の絵具では三原色だけできれいな色をつくるのが難しいことにも言及。赤・青・黄それぞれ2色ずつ使った「六原色」という考え方を紹介しました。これは、赤と青でも組み合わせ方によって、きれいな紫や濁った紫になるということです。
【 講習の様子 】

その後の実習で、ボードに実際に色を塗って、それらを確かめていただきました。色彩の原理でもうひとつ重要な「補色」(反対色)についても、絵具を混ぜて実験。赤と緑、青と橙、黄と紫がそれぞれ補色の関係。混ぜると黒になるはずなのですが、さて絵具では・・・?
【 実習の様子 】

最後に「油絵具の白」について学習。「白」といっても油絵具には何種類もあってそれぞれ特長が違います。同じ色と混ぜても色調が違ったり、着色力(白くする力)や隠蔽力(下地を覆い隠す力)も違います。絵具の白は「白い物質」なので、その原料の違いで絵具の性質も変わってくるのです。

休憩をはさみながらの3時間でしたが、今回は実習のボリュームも多く、参加された方にはあっという間のワークショップだったようです。この日の内容が今後の皆様の制作のお役に立てば、とお祈りしつつ閉会いたしました。

今回のワークショップの様子は、動画でもご覧いただけます。